おいしいコーヒーのワケ

珈琲豆について色々書いてみたいと思います。



コーヒーハンターと私


2010年04月26日




コーヒー業界に入ってから多くの方達に出会い支えられ、現在に至ります。 そんな中で出会った人たちは、コーヒーの魅力に虜にされ、珈琲豆をこよなく愛し、 仕事の枠を超え、すべては美味しいコーヒーのため日夜、世界中を駆け巡る方達ばかりでした。

現地の農園へ行く者、珈琲農園開拓者、消費者が喜ぶカフェのコーヒーを提案しつづける営業マン、 海外へコーヒー文化を伝播する者、日本から南米へ移民した成功者・・・。 すべてはカップ1杯の美味しいコーヒーを味わってもらう日本の皆様のために。

スターバックスが日本に進出して来てからカフェブームを経てコーヒーは、ファッショナブルな飲みものとなり、 コーヒーチェーン店が増えたおかげで、いつでも手軽にコーヒーが飲める環境になりました。
そんなコーヒーは、珈琲豆かカップに入った液体でしかお目にかかることはないと思います。 しかし、皆さんが何気に飲んでいるコーヒーには多くの人達の情熱と熱意が合わさり、日本へ運ばれてきたものです。

世界で質の高い豆を輸入している日本。 世界中を駆け巡る、彼等の活躍なしでは手に入れることができません。 他の国よりも良い=美味しいコーヒーを飲んでいるのが今の日本です。
さらにグルメブームも追い風となりスペシャリティーコーヒーが日本でも扱われるようになると、 彼等達の活躍はさらに加速していき、アフリカや普段聞いたことがない小さな国へまでもフィールドを広げ、 さまざまな良質な豆の確保に走り回っています。
そのため治安の悪いところや生活環境が整っていない所も多々もある中、無事日本へ帰って 来てくれたハンターたちは、黒く焼けた笑顔で、現地情報を嬉しそうに報告してくれていたことを 強く印象に残っています。

そして数ヶ月後にはそんなハンターたちの豆が税関を通過して無事入って来るまではいつもハラハラしていました。 なぜなら珈琲豆も食品検査同様に検査があり、現地で問題なくても、運ばれてくる船の中などで虫が紛れ込んでいたり、 発生したり、カビが生えたりと、赤道を通過するコンテナの中で変化してしまうこともあり、幾つもの難関を通過せねば、 港についても珈琲豆は荷揚げできない状態になります。

特に日本は世界で最も厳しい検査基準が設けられているため、全てをクリアーして入荷できるかどうかは 着いてみないとわかりません。 コンテナにクーラーを付けたリファーコンテナー(低温庫)や空輸便を使い厳重管理体制の中、輸送され、 横浜や神戸、空港に着いてもそのまま、アフリカ、ブラジル、エチオピアなどに送り返されてしまうこともあるからです。

皆さんが日本で飲んでいる珈琲はいわば、優等生ばかりです。
どうぞたまには、そんなコーヒーハンター達の活躍を思い出しながら珈琲を味わってみてください。
今日も世界中で皆さんに、美味しく飲んでもらえる珈琲豆を探し求めています。